小説 BL

疵 スキャンダル 1 (B‐PRINCE文庫)

　BL読みだしてからもうながいが、特定の作家さんばかり読んでいて、名のしれた作家でもほんとに知らなかったりするのですが、かわい有美子さんもそうで、ちょっとまえになぜか購入した（なんで買ったかはわからん……）本が最初でした。それから一年くらいして、じっくり読みかえしてみたら文章が好みだってことに気付きまして、新装版の出ている『疵』を買いました。
　たぶん、若いころだったらあんまり好きじゃなかったろうな。いまはもうおばちゃんになってしまいまして、ねちっとしたのも好きです。そりゃむかしからJUNE系が好きだったから、家庭内のいざこざやら愛人がどうのやら夫婦仲が冷めたのどうのと、そういうのは読んでいるほうだったとは思うけど、JUNEでなくBL系の、明るくてさわやかでかっこいい読みやすいのが２０代のころは好きで、ドロドロしたのは敬遠ぎみだったのですが、もう○○才、舅だ姑だ、つれあいにじぶんの田舎や親をバカにされたと感じたときに相手を憎む気持ち……ああ、必要以上に感情移入してしまう……若いときはそういうのがもう大嫌いだったのに……オバハンの下世話さを憎んですらいたのに…
　あ、べつに『疵』はそれがメインのお話ではありません。